ネパールけん玉大会と学校訪問(2026年参加報告)
2026年1月23日から28日まで、ネパールのバクタプル市を中心に広まるけん玉プロジェクトに参加させて頂きました。
コロナ禍を挟み、7年ぶりの訪問となりましたが、心動かされるけん玉大会と、プロジェクトのため現地で奮闘する日本の学生さんの様子に感銘を受けましたので、報告させて頂きます。主な活動は第6回ネパールけん玉大会へのゲスト参加と、6つの小学校訪問でした。
▼ネパールけん玉プロジェクトとは?
関西学院大学の国際ボランティアプログラムの皆さんが展開している活動。
2017年からは学生ボランティアが現地に5か月間交替で滞在し、日本語の授業等を担当している。運動場が無い学校が多く、そもそも体育や音楽という授業が無いネパール。教育支援を行う中で、何がネパールの子ども達にとって必要とされるのかを検討した結果、省スペースで手軽に運動ができる「けん玉」を取り入れる事に。
2019年2月には、学生が入っている2校でけん玉交流会を実施する等、盛り上がりを見せるなか、3月には学校の校長先生があつまりNKN(ネパールけん玉ネットワーク)が誕生。
2019年6月、第1回ネパールけん玉大会開催。
2026年1月に開催された第6回大会には12校が参加(NKNには22校が所属)。
第1回ネパールけん玉大会の様子は2019年参加報告記事からご確認頂けます。
https://www.gloken.net/jp/blog/201907021847/
▼2026年1月23日から28日まで、7年ぶりに訪問させて頂きました
急遽決まった今回のネパール訪問。参加スケジュールは、第6回目となるけん玉大会へのゲストとしてと、けん玉を取り入れている学校6校の訪問でした。学校訪問先が決まったのは私の到着前日だったそうです。お互い慌ただしい中での実現でしたが、こうしたご縁こそ尊いものだと感じています。時系列で、今回の活動を振り返ります。
【1月24日(土)】事前ミーティング
ネパールの首都カトマンズにある国際空港への到着が23日(金)23時30分過ぎ。そこから車で40分ほど離れた隣町・バクタプルのゲストハウスへ移動して、今回の滞在がスタートしました。
24日(土)はミーティング尽くし。翌25日に開催されるけん玉大会のスケジュールや役割の確認。大会に参加する学校の校長先生も来られての打合せです。そして、大会終了後の月曜、火曜で6校を訪問してのけん玉交流活動のためのミーティング。
NKN代表、副代表を務める先生方、そしてその活動に賛同して加盟している先生方、コーディネーターさん等、沢山の関係者が集める中、主に会議を進行するのは日本の大学生2名です。計5か月の滞在期間の内、残り1か月というタイミングの今、活動の集大成とも言えるけん玉大会の日がいよいよやって来るのです。
見知らぬ土地で、ネパール活動が決まるまではそんなに触れたこともないはずの「けん玉」を中心にした活動。たくさんの校長先生方を前に、ここはこうして、こういうスケジュールで、大会ではこうやって集計して、運営ボランティアも集めています、と堂々と進行する20歳前後の学生さん達に、頼もしさと、日本の未来の明るささえ、感じる時間でした。
そして、ネパールけん玉プロジェクトの今後のカギとなる「けん玉生産活動」について、職人さんを交えての打合せ。今は、日本からの寄付によるけん玉数百本を加盟する学校に配布しての活動ですが、今後の発展、そしてネパールの産業となるために不可欠な自国生産に向けての取組です。NKNが中心となり、一定数の注文を取りまとめることで製造単価を下げ、子ども達に届けやすい生産流通構造を模索しています。
この取り組みは、世界中で起こっては消えていく「けん玉ブーム」的な動きと一線を画すもので、静かに注目したいと思います。
【1月25日(日)】けん玉大会
12校が参加するけん玉大会。学校から10名程度の選手が選抜されて集まります。
カップチャレンジ、スキルチャレンジ、もしかめ、けん玉リレー等、沢山の種目があって、それぞれで得点が付きます。個人戦のようなカテゴリもあるのですが、最終的には学校単位で得点が集計され、12校の中で1位、2位、3位と表彰されます。
どの種目も、盛り上がりがすごいんです!
学校単位で順位が決まるので、団結力も高く、リレー等で1位でゴールした瞬間の歓声は、まるで運動会。そうなんです、けん玉大会というより、けん玉運動会と言った方がニュアンスとして近い気がします。学校全体として、けん玉を通じてどうまとまるかが試されているような大会です。
日本の学生さんが、週に2度、各学校を訪問して、けん玉を教え、大会のルールを説明して準備してきたけん玉大会。日本のけん玉大会とはちょっと違う味わいと、彼女らの子ども達に対する愛情が溢れている大会でした。
とはいえ、7年前に訪れた第1回大会よりも、いわゆるスキル面でも進化が見られました。大会中、グランドを歩けば、技を見せて〜というリクエストが多数!うぐいす、はねけん、地球回し、宇宙一周、月面着陸等、多くのトリック名が出てきます。
しかし、インターネットへのアクセスも限られているネパールの小学生。
そして、けん玉に特化していない日本からの学生ボランティアさんによるけん玉指導。
「競技けん玉」を中心に見て来た目からは、ネパールでは独自の進化が見えます。
例えば、日本一周や世界一周。
けん玉大会の場面でも、けんに刺す前に、大皿や中皿の上で、玉を何度も浮かせて穴位置を調整してから入れる場面が見られます。全員がやっている事なので、ズルいとか、そういう問題ではなく、ネパールのけん玉ルールとして定着しているのです。
また、飛行機は「ロケット」という名前なのですが、「ダブルロケットやって〜」と言われる事が多く、1回転飛行機なのか、2回転飛行機なのかと思っていると、はねけんのジェスチャーが出てきます。ダブルだから2回転はねけんかと思ってやってみると、想像以上の大歓声が上がります。
実はダブルロケットは、「飛行機〜はねけん」の事だったのです。2連続で刺さるから、なのだろうと思います。
「公式」とか「統一」といったものを定め発信することで全国大会とか国際大会のような大規模な大会が成立する一方、遊びのルールやネーミングは本来、こうしてコミュニティの中で決まるローカルなものだったはずなんだなと感じる出来事でした(日本でも昔は地域によって遊び方、呼び方がたくさんあったとされています)。
滞在中、何度か口にしたのですが「けん玉界のガラパゴス的進化」が見られる場所であり、グローバリゼーションによる、ある意味での汚染を持ち込んではならないのではないかという思いさえするのですが、おそらく時代の流れには逆らえない部分も出てくるでしょう。
しかし、関西学院大学の国際ボランティアプログラムの皆さんとNKNの先生方が繋いできた愛情にあふれたけん玉シーン、そして子ども達の歓声はいつまでも続いて欲しいと願っています。
大会後半の休憩時間(集計時間)には、パフォーマンスタイムを持たせて頂きました。
今回、高校生の息子を連れてのネパール訪問だったので、最近始めたばかりのギターを弾いてもらって、親子コラボステージが実現したことも、個人的には忘れがたい思い出となりました。
【1月26日(月)】学校訪問×3校
【1月27日(火)】学校訪問×3校
月曜、火曜は、大会出場していた学校の内、6校に訪問させて頂きました。
どの学校でも、選手メンバー(大会出場者)との交流会で新しいトリックを教えた後、3年生以上の全校生徒の前でのけん玉パフォーマンスという流れでの実施となりました。
難しい技というよりも、たけとんぼや、野球、リフティング、空中ブランコの指の周りを何周も回すバージョン等、楽しく挑戦できる技を中心に紹介しました。
そもそものけん玉の数が少ないネパールでのけん玉プロジェクト。
学校の中に、貸出用のけん玉が10本程度あり、順番で使いながら練習しているようです(選手に選抜されると自宅に借りて帰って練習できたりもするようです)。
けん玉ができるのは4年生〜7年生。3年生くらいになると、けん玉に触れる4年生以上への憧れがすごくあるようで、今回のけん玉パフォーマンスでも、上手な子たちに一緒に技を披露してもらったりお手伝いしてもらいました。
競技けん玉のグローバル化とは違ったスタート位置からネパールに根付き始めているけん玉。
けん玉が、異国の地で子ども達に憧れや成長の機会を提供するツールとして使われていることを目の当たりにすることができた今回のネパール滞在は、様々な感情が沸き起こる貴重な時間となりました。
これからも、ネパールでのけん玉進化を見守り、そしてけん玉を楽しむ子供たちの一助となれるよう、関わり続けたいと強く感じました。
今回の訪問実現にあたりお世話になった関西学院大学の国際ボランティアプログラムの皆様、ネパールけん玉ネットワークの皆様、本当にありがとうございました!
(窪田)























