日常に「楽しい」をもっと⑫ ~「楽しい!」の価値~

 娘が4歳の時、2週間ほどの出張に出る際、「どうしてお仕事にいっちゃうの?」と大泣きされました。難しい問いを受け、自分の仕事の意味を改めて考え直し、子どもが大きくなった時に残したい未来を考えました。それが、みんなの日常に「楽しい!」がもっとある社会であり、そのために、けん玉を通じて貢献をするのが自分の仕事だと認識しました。

 連載の途中にも書きましたが、「遊び」は、まだまだ、重要なモノではないという認識が強く、楽しい時間を持つことの優先度は後回しにされがちです。それは、役に立たないから、に起因していると考えます。

 価値を大別すると、「役に立つ」と「意味がある」、になると思います。けん玉をしても、はっきり言えば役には立ちません。無くても生きていけます。でも、できた!という瞬間には、その人にしか分からない意味があります。仲間とハイタッチして喜びを共有し、人間関係を深めることも、人生において意味があることです。これまでの社会では、役に立つこと、が重要視され、学校教育や試験や中では、正解を早く見つける能力が重要視されてきました。しかし、この「役に立つ」はロボットやコンピューター、AI技術が得意とする分野であり、計算の速さや、反復動作の正確性という点では人間は太刀打ちできません。

 逆に人間にしかできないのは、「意味がある」ことに価値を見いだすことが挙げられます。映画を見て泣いたり、けん玉ができて喜んだり、人間関係性を深めたり…。様々な技術が進化すればするほど、人間の感性がもたらす価値に重きが置かれる社会になっていくと思います。

 そして、感性は人それぞれ。多様性が尊重されなければ、この価値観は成立しません。役には立たないけれど、意味がある。これが「楽しい!」が持つ価値の正体です。その根源となる「遊び」の時間や仲間、そして人それぞれの多様性を、みんなが大事にできる世の中になればと強く願い、連載最終回とさせていただきます。

(グローバルけん玉ネットワーク代表 窪田保)

2020年3月26日 「市民タイムス」掲載

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